もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

(C)2009 岩崎 夏海/ダイヤモンド社
「新人マネージャーと野球部の仲間たちが ドラッカーを読んで 甲子園を目指す青春小説!」(オビの説明書きより)
P・F. ドラッカーの「マネジメント」という本をご存じでしょうか。
ドラッカー経営学の集大成と言われている、1400ページにもおよぶ大著です。
日本ではダイヤモンド社が出版している「エッセンシャル版」が普及してますね。この「もし高校野球の女子マネージャーが~」でも、「エッセンシャル版」が登場しています。
著者のあとがきにもあるのですが、本書のタイトルそのままの内容です。
マネージャーが「マネジメント」を読んで(しかも間違って買ってしまって)、野球部をマネジャーばりにマネジメントしていく、そんな話しです。
表紙にも描かれている女の子が主人公「みなみ」。
野球部のマネージャーだから「みなみ」かよ、と思わなくもないですが、基本的に変なネタみたいなものはありません。
著者も小説としては初執筆だったとのことで、冒頭は文章が硬すぎて読みづらい感覚がありましたが、中盤以降は、読み手が慣れたのか、著者が慣れたのか、さほど気にならなくなりました。
高校野球と経営学を(若干、無理矢理気味に)くっつけてるので、やや強引な話し運びなところもありますが、十分楽しく読めましたし、泣かせるところもあります。
おそらく、本書を読んでも、ドラッカーの「マネジメント」については雰囲気くらいしか知ることができませんが、それでも、「マネジメント」も読んでみたいな、と思わせる力はあると思います。
なお、一時ブームになった、いわゆる「萌え本」とは異なります。
完全なる小説作品です。
イラストも表紙の他は、中表紙の手前と、本文の中に1回ずつカラー挿絵があるだけで、他はすべて文章となってます。
イラストだけ見て表紙買いするのだけは、お勧めしません。
なお、著者はAKB48のプロデュースにも携わっているとのことで、登場人物にはそのメンバーの影響も出ているとのこと。(私はちょっと分からないのですが。)
ファンの方などは、そういう楽しみ方もできるのでは?と思います。
マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]

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